「えっ、ちょっ…」 「こっちに俺の秘密基地がある」 「はあ!?」 何を訳の分からないことを言っているのだろう。 たとえどこに隠れようと、そこが紙でできている限り、私の姿は現れているままだ。 そのくらい分かるはずなのに、頭脳明晰の彼なら。 じゃあどうして…その疑問も解けずに、私はただ彼の後を追うばかりだった。 数分走っていると、彼が急に立ち止まった。 もしかして着いたのだろうか。 彼にそう聞こうとすると、目の前に仁王立ちした人が立っているのが分かる。