《淳》


小学生以来だろうか


宇美と繋いだ手は昔より小さく感じた


そして柔らかくて温かくて、ずっとこのまま離したくないなんて考えている俺がいた



お互い無言の空間



それが解かれたのは、お互いの家の前に着いた時だった



「それじゃ、ね」



「あぁ」



お互い別れの言葉をかけるのに、一向に繋がれた手を離そうとしなくて


「くくっ」


それが可笑しくて、笑ってしまった



「宇美、手離さないと家入れないぞ」


「あ、淳だって!

………私からは離せないから、離してくれる?」



そんな珍しく、素直にお願いするなんてズルいよな



「……ん」



最後にギュッと力を入れて、ゆっくり握られていた手を離したら、一気に手が冷たくなった気がした