《宇美》
それから、不自然なほど淳とはいつも通りに接していて、この前の私の行動は、本当は夢だったんじゃないかって疑うほどだ
淳にとっては大したことじゃなかったのかな、と悲しくなったのと同時に、変に淳としゃべれなくなったり、関係が壊れてしまわなくて良かったと、安心した気持ちがごちゃ混ぜで、私の心の中は大忙しだった
「宇美、じゃあ終わったら教室で待っててな?」
「わかった!部活頑張ってね!」
今日は金曜日
本当なら憂鬱な委員会の当番も、その後好きな人と一緒に帰れる楽しみが待っているとなると、こんなにもルンルンな気分で、自然と足も軽くなる
「水原!」
図書室に向かう途中、後ろから誰かに呼び止められる
振り返ると、同じクラスの吉田君の姿が
「どうしたの?」
正直、そんなにしゃべったことがない彼に呼び止められ、不思議に思う
「水原さ、委員会の後、一緒に帰らない?」
ん?
何で?
それが率直な感想
「ごめん、今日は約束してる人がいるから」
とりあえず、本当のことを伝え、断りを入れる
「そっか、じゃあしょうがないよな………
また、約束ない日に一緒に帰ってくれる?」
「はぁ………」
吉田君と何かつながりあったかな?
目の前の彼との接点を思い出そうと頭をフル回転していると、それを無視して一人トントン話を進めていく彼にいつの間にかついていけず、気づけば
「じゃあ、また今度!約束な!」
と、嵐のように過ぎ去っていた………


