「はよー!」



呑気にクラスメイトに挨拶して行く聡はどんどん教室の中心に入っていく




「お、宇美おはよ」



そして、宇美までたどり着く



「聡君……おはよ」



聡にそう返した宇美と、聡越しに目が合った



その瞬間、宇美は目を見開き、顔を真っ赤に染めた後




「淳も……おはよ」



くしゃって照れたように、俺に向かって笑ったんだ





カチッ





音でいうならそんな感じだろうか



今まで感じたことのない気持ちが俺の中に溢れてきて、目の前で俺に向けてぎこちなく笑う宇美が、何だか無性に愛しく感じた



「………おはよ」



俺、ちゃんと言えてたかな



そんなことを思うくらい、内心バクバクしてて……



けど、そんな俺の気持ちとは正反対に、俺の返答にさらに笑顔で返してくれた宇美がいて



あ………宇美って、こんなに可愛い女の子だったんだって気づいた





ずっと妹みたいに思っていたのに、ただの幼馴染だったのに………




それは静かに崩れ落ちて、また新たな気持ちが芽生え始めていた