「あ、青山さんのことが好きなんじゃないの?」
青山さんとあたしが言うと海斗君の眉にシワが寄った。
「なんで今あいつの名前が出るんだよ。
俺はお前に言ってるんだよ。」
え、そんな。
本当にあたしのこと好きなの!?
嬉しい。嬉しいけど今まで自分が勘違いしてたせいで全然素直に喜べない。
変わりに目頭が熱くなってきて涙が溢れる。
海斗君はそんなあたしに気づかず、一人で焦ったように話し出した。
「お前といるとなんか落ち着くし、素の自分でいられるんだよ。
だから放課後のお前との時間は誰にも邪魔されたくなくて、あいつらから逃げたりした。」
あの時逃げたって言ってたのは、一人になりたいからだと思ってた。
だけどあたしは作戦会議ってことにして毎日会える口実作ってたけど海斗君も同じ気持ちだったんだ。
「最初は変なやつって思ってたけど、変わるために頑張ってるお前を見たら協力してやりたい、俺が変えてやるって思ったんだよ。
でもお前は俺の想像以上に可愛くなっていくし、放課後には村田の話ばっかするようになって、いつもイライラしてる自分がいた。」

