ヒュゥ~~~……パァン!
と音が響き、空に色とりどりの光が散らばっていく。
綺麗………。
海斗君もあたしも突然の花火に呆気にとられて、今までしていたにらみ合いが一瞬にして終わった。
まさかこんな形で海斗君と2人っきりで花火を見るなんか想像もしてなかったよ。
ふと隣を見ると海斗君は花火に夢中で、なんか小さな子どもみたいで可愛いと思った。
ひそかにクスッと笑ってまた花火を見る。
「好きなんだよ…お前のことが。」
その時花火の音に混じって、隣から小さな声が聞こえてきた。
「え?」
思わず聞き返してしまった。
お前ってあたしのことだよね?
周りを見てもやっぱりあたしと海斗君しかいない。
これは聞き間違いじゃないよね?
だってあの海斗君があたしを好き!?
信じられない!
じゃあ青山さんはのことは?
結局海斗君から聞けずじまいだったのを思い出した。