「海斗君、今までありがとう。
あたしを変えるために協力してくれて。
海斗君のお陰で少しは自分に自信持てるようになったよ。」

「何だよいきなり。
そんなの俺がやりたいからやっただけだ。
もういいから、こんな今日で終わりみたいな話するな。」

海斗君は無理矢理この会話を終わらそうとする。


あたしたちは今日で終わりなんだよ。
だから今言わなきゃ絶対後悔すると思う。

あたしはそのまま言葉を続けた。


「図書室で海斗君がいきなり図鑑持ってきて、そこに載ってるフグがあたしに似てるとか話した時なんか一番笑ったな~。
いつの間にか放課後に海斗君と会うのが日課になって、作戦会議したり一緒に本読んだり話したり……本当に楽しかった。」

「やめろ。もういいって言ってるだろ!」


海斗君がいつまでも話を止めないあたしに怒鳴って、立ち上がった。


いつも見ない海斗君の怒った声に体が少しビクッとして、一瞬言葉を失う。


でもこんなとこで止めたらダメ。
最後ぐらい自分の決心したことを貫き通すんだ。

あたしも海斗君と一緒に立ち上がった。


「海斗君、幸せになってね。
あたしは海斗君に色んなこといっぱいしてもらってすごく感謝してる。
だから次はあたしが海斗君のために何でもするから、困った時は遠慮なく言ってね!
あたしどこでも駆けつけるから!」