「てことは…結局俺の勘違いだったってことか?」
「そう……だったみたいだね。
だってあたしその時、海斗君と行きたいなーって思ってたんだよ?」
すると海斗君がハァーっと大きなため息をつきながら、しゃがみこんだ。
「海斗君…?」
「っ…見るな。
はぁー、嫉妬するとかすごいカッコ悪っ。」
顔を覗き込もうとすると手で顔を隠される。
でも隠れきれてない耳がちょっぴり赤く染まっているのを見て分かった。
嫉妬してたのはあたしも同じ。
海斗君ももしかしてあたしと同じ気持ちだったりするのかな?
そうだと嬉しいけど、たぶん違う。
「お前が村田と話してるとこ見たり、聞いたりするとイライラするんだよ。」
海斗君が絞り出したような声で呟いた。
あたしと村田が一緒にいるとイライラ…する?
てことは最近海斗君が不機嫌だったのは、あたしが村田との1日を図書室で話してたせい?
あれはただ海斗君が村田を嫌ってるからだとずっと思ってたけど、違ったんだ。
でもどうして?
仲良くなったら村田をフレなくなるから?