「俺がどうしてあいつと花火大会に来たと思ってる?」
「そんなの、青山さんが気になり始めたからじゃないの?
じゃないと2人っきりで花火大会なんか行かないでしょ。」
「じゃあお前はどうなんだ!
村田と2人っきりで花火大会に来たってことはやっぱり好きになってたんだろ!
あんなに好きじゃないって言ってたくせに。」
そうだ…。
あたしも村田と2人っきりで花火大会に来てた。
でもあたしは村田のことは好きじゃない。
あたしが村田と花火大会に来た理由は…
「海斗君のせいじゃん!
海斗君が花火大会に青山さんと行くって言うから、あたしは村田と花火大会に行くことにしたの!」
あたしの言葉に海斗君が固まる。
あーもう!あたしのバカ!
海斗君のせいにして言い返してどうするの!
今日は仲直りしにきたのに、これじゃ喧嘩した時と同じ…。
その時海斗君が
「俺は……俺もお前が村田と行くと思ってたから、あいつの誘いを受けたんだ。」
え、あたしが村田と行くと思ったから?
海斗君の思わぬ発言に今度はあたしが固まった。

