「…あのー、海斗君?
どうして海斗君がここにいるの?」
あたしは迷った末一番聞きたかったことを海斗君に聞いた。
さっきまで一緒にいた青山さんは?
海斗君に着いてきているわけでもなさそうだし。
周りを見渡してもあたしたち以外には誰もいない。
「……お前を探しに来た。
ずっと俺はお前を探してた。」
ずっと探してた…?
それは違う。絶対嘘よ!だって……
「青山さんと一緒に花火大会に来てたじゃない!
それに……抱き締め合ってたじゃん。」
「やっぱり、あの時走っていったのお前だったんだな。
でも誤解してる。
俺は抱き締めてない、抱きつかれただけだ。」
抱きつかれただけって。
でも海斗君の手が背中に移動してたのをあたしは、はっきり見たんだよ?
納得がいかないという顔で海斗君を見ると、海斗君の眉に少しシワが寄った。

