後ろを向いて2人が追いかけてこないことを確認して、ふぅーと一息つく。


怖かったー。
でも悪い人達ではなさそう。
最後のあれも本気じゃなくてノリだったんだろうと自分で推測して、焼きそば屋を探した。


焼きそば屋はわりとすぐ見つかって、その横には向こうに抜けれるぐらいのスペースが開いていた。


ここだ。
あたしは何故かすごく緊張して、音を立てないようにその道をそーっと通った。




え、そんな………遅かった。
あたしは呆然としてその場に立ち止まった。


道を抜けたその先には男たちが言うように男女2人組がいた。
しかも青山さんが海斗君に抱きついた状態で。


さらに青山さんが言った言葉があたしに重くのしかかる。


「海斗君が好き。」


すると海斗君の手が動いて青山さんの背中へ移動する。


いや!見たくない。
あたしは2人から顔をそらした。


もう十分。
2人が想い合ってるんだ。
これ以上2人の邪魔をしたらダメ。


あたしは足音を立てることも気にせずに、走ってその場を後にした。



またしても安藤紗菜は失恋する予定です。
まだ海斗君の返事を聞いてないところが救いだ。
聞いていたら絶対立ち直れない…。

だって今度は本当に最初で最後の初恋だから。