花火大会の待ち合わせ場所に着くと、そのにはもう村田が…。


え!すごく早くない?
あたしが遅かったのかな!?
携帯を開いて時計を見てみると、まだ4時50分だった。


村田は何時からここにいるんだろ。
あたしは手を振って村田のところまで走った。


「待たせてごめんね!」

「いや、全然いいよ!
俺が早く来すぎただけだから!」


“ありがとう” と言って村田を見上げて微笑んだ。



「何時にここに着いたの?」

……あれ?反応がない。

その代わりに村田の顔がだんだんピンクに染まっていく。
え、どうしたの!?
まさか熱があるとか言わないよね?


村田はバッと口を右手で押さえて、あたしに顔が見えないように隠した。


「可愛すぎだろ。」

と小さく声を漏らした。