「なんで断ったの!?
あたしのことなんか気にしなくていいのに!
その男の子に悪いことしたな…。」
すると小春はニコニコしながら、 “大丈夫、大丈夫!” と言ってあたしの手を握った。
「その男の子ね。あたしが断った後も話しかけ続けてくれて、この前花火大会に誘われたの。
だからあたしも段々彼のこと好きになっちゃって…。」
やっぱり恋愛は、断られても諦めない人が勝ち取っていくものなんだ。
それにしても、その男の子の話をしている時の小春はとても幸せそうに喋っている。
小春がすごく可愛く見えた。
いや、もともと可愛かったんだけどさらに!
恋してる女の子が可愛くなるって本当だったんだね。
「でもごめんね。
本当ならもっと早く付き合えたのに。」
「もう!謝らないでよ。
あたしは逆に紗菜に感謝してるの♪
おかげで彼の気持ちが本気って分かったし、あたしも好きになれたんだから。」
それからあたしたちは待ち合わせの時間になるまで女子トークに花を咲かせた。