そして迎えた花火大会の当日。


気分が乗らないまま、浴衣を着て髪型をセットする。


本当にあたし変わったなー。
同じ浴衣でも前とは比べ物にならないぐらい似合って見える。


ピンポーン。


あ、小春がきた。
ドアを開けるとあたしと同じように浴衣を着た小春がいた。


「わあ!紗菜めっちゃ可愛い!」

「そうかな?小春の方が可愛いよ。」


なぜかここで沈黙になる。
小春の顔を見るととても心配そうな顔をしていた。


「紗菜、どうしてそんな悲しそうな顔してるの?」

「全然普通だよ?」

と言って小春に笑いかけた。


「ほらその笑顔。全然楽しそうじゃない。
岸田君と何かあったでしょ?
最近図書室行ってないみたいだし、廊下で会ってもお互い気まずそうにしてるし。
今の紗菜、辛そうだよ?
あたしは紗菜が相談してくれるまで待ってた。
でももう待てない。
何があったのか話してくれないかな?」