「海斗君が言ったんじゃん!村田をフラせてやるって。
あたしはどうしたらいいの!?
何をしたら正解なの!?
分かんないよ…。海斗君が分からない。」
あたしの言葉に海斗君は顔を歪めた。
「…作戦は失敗だ。」
海斗君がボソッと言った。
作戦……失敗…?
作戦失敗=問題が発生したってこと。
前に問題が発生しない限り、作戦が失敗することはないって言ってたもんね。
自然と涙が込み上げてくる。
問題はあたしだ。
あたしが海斗君を怒らせたから。
海斗君があたしの横を通って部屋から出ていこうとする。
待って!嫌だよ、こんな喧嘩したまま別れるなんか…。
でも何もできないし、何も言えない。
どうしていいか分からない。
バタン…。
扉が閉まる音がやけに大きく部屋に響く。
あたしはただ独りで泣いた。
どうしてこうなるの?
今まであたしは変わろうと頑張ってきたのに。
一瞬にして水の泡になった気分…。