「何探してるの?」


村田があたしの席まで来て問いかけてきた。


「消しゴムが無くて…。
さっきから探してるんだけど…忘れたのかな?」


んー、持ってきたつもりだったんだけどな。

昨日宿題するのに使って……朝起きたら床に落ちてて…後で入れようとして忘れたんだ!


あー最悪。
消しゴム無しで授業はキツいよ!


「はい。よかったら使って!」


目の前に消しゴムと村田の笑顔があった。


その笑顔はなんか裏がありそうで嫌だけど、消しゴムは欲しい!

それに村田が使う消しゴムは…?


「え、でもそしたら…」

「俺は大丈夫だよ。2つ持ってるから!
だから全然気にせず使って♪」


あたしは消しゴムをありがたく頂戴した。
なんか村田が少しいい人に見えた。
ほんの少しだよ!?