ベシッ!


急におでこに衝撃が走った。


「いったーい!もう何!?」

「ばーか(笑)」


なんだとー!!!!
いきなりデコピンしといてバカとはなによ、バカとは!
本当に痛かったんだからね!


デコピンはするし、褒めてくれないし、おまけにバカまで!
やり返ししてやる!


あたしは海斗君のおでこ目掛けてデコピンをしようと試みる。
だけど、寸前のところで逃げられてしまった。
でもまだまだー!


「ばっ、お前やめろ!来るな!」


海斗君の必死な顔に段々楽しくなる♪


ふと海斗君と目が合って、2人とも動きが止まった。


「……ははっ(笑)
俺ら何やってるんだろうな。」


海斗君が先に沈黙を破って笑った。
ほんと何やってるんだろう(笑)

あんな地味なあたしが男子とこんなに話す時が訪れるなんか夢にも思ってなかったよ。



「おい、もう帰るぞ。
早く来ないと置いていくからな。」


いつの間にか海斗君はカバンを持って、図書室の入り口に立っていた。

え!今日一緒に帰れるの!?

そういえば海斗君と一緒に帰るのは今日が初めてだ。
なんか嬉しい♪


“海斗君、待ってー!!!” とあたしは叫んで海斗君を追いかけた。