そこは図書室だった。
ここの学校の人は図書室を利用する人が少ないから、今も誰もいない。

ほっと安堵のため息が出た。


でもすぐにさっき村田君に言われたことが頭の中でよみがえってくる。


あたしは村田君のこと好きだったのに…。
好きな気持ちまで否定された。


あんなヤツを好きになった自分が悔しくて、あんなヤツに告白した自分が悔しくて涙が溢れてくる。



なんなのあの村田君!ううん、もう村田でいいや!見た目が暗くて地味でブスなヤツですって!?まあ否定はしないけど…。でも!告白されたことが嫌!?これだけは許せない!あんなに勇気出して告白したのに、なんで告白まで否定されなきゃいけないの!あたしがあんたに何かした?何もしてないよね!ブスがイケメンに告白して何が悪いんだ!イケメンだからって調子乗ってるといつか地獄に落ちるんだから!そうよ、村田もフラれればいいのよ!
イケメンなんか大っ嫌いだぁぁぁぁぁああああ!



ハアハア……ちょっと…一旦休憩……。
一気に吐き出したたおかげで少しスッキリしたー!



その時、右の方からペラッと本をめくる音がした。


ハッ!として音がした方向を見ると、部屋の隅の窓際の本棚の上に座っている男の子が1人いて、本を読んでいる。