「それだけかよー。なんかつまんねーの。
俺はてっきり、
『好きです!付き合ってくれるまで付きまとうから!』
って脅されてんのかと思ったぜ(笑)」


村野君はあたしのものまねらしきものをした後、ぎゃははははと爆笑した。
その声に混じって村田君の笑い声も聞こえてくる。


意味わかんないし!
あたしがそんなこと言うわけないでしょ!
何も知らないくせに勝手なこと言うな!


「で、アイツと付き合うことになったのか~!」

と村野君がバカにしたように言う。


この男さっきからなんなの!?
あたしの怒りがピークになってきて教室に文句を言いに入ってやろうと思ったけど村田君の言葉で体が固まった。


「はあ!?お前ふざけんな。冗談でもやめろよ。
俺があんな見た目が暗くて地味でブスなヤツと付き合うわけねーだろ。告白されたってだけで嫌なのによ。」


この人は本当にさっきあたしが告白した村田君…?
なに、この変わりよう…。


しばらく動くことが出来なかった。
これがいわゆる放心状態ってやつ?




すると中から声が聞こえてきた。

「じゃあそろそろ部活行くか。」


や、やば!隠れなきゃ!

とっさに近くのドアを開けて中に入った。