き、岸田君今日はよく喋りますね……あはは…。
あたしは苦笑いしか出来ない。


そしてこの後の沈黙が辛い。
最初に沈黙を破ったのは岸田君だった。


「で?」

「かか、海斗……くん。」


海斗くんは満足そうな顔をして “ん” っと言った。

恥ずかしっ!
呼び捨てにするって結構恥ずかしいんだね。


ドラマとか見てる時、女の子がどもってなかなか言えなかったら逆に、

“なんで言えないの!?
呼び捨てになんか簡単じゃん”

ってイライラしてたのに今ならその女の子の気持ち分かるよ。


「じゃあ1週間後の放課後ここに来て。
次の作戦考えよう。」

じゃあなと言って、海斗君は図書室を出ていった。
前髪切ってこいよと付け足して。