花火が終わり、辺りが暗くなるとなぜか隣からふっと小さく笑う声が聞こえた。
「ほんと泣き虫で泣き顔ブサイクだな(笑)」
花火が終わって辺りが暗くなってから、電灯に照らされたあたしの顔を見て海斗君が笑った。
「なっ!ブサイクってひどい!」
「ほらまたフグになってる(笑)」
「海斗君がこんな顔にしたんだからね!
可愛いとか好きとか今まで絶対言ってくれなかったのに、いきなり言うから涙が止まらないの!
責任とってよね!」
「分かった。涙の責任とればいいんだよね?
じゃあ……」
わ、分かった…って?
絶対否定すると思ってたから逆にこっちが焦る。
すると海斗君はあたしの視界を手でそっと塞いだ。
え、なに!?真っ暗で何も見えないんだけど。
……チュッ。
その時小さく鳴ったリップ音とオデコに一瞬当たった温もり。

