『──最後になりましたが、』


(やった!終わる!)


と思ったのも束の間、

最後と言いながらそれから5分も時間が経ってようやく終わった校長挨拶。


なんか、一気に疲れた…


『では続きまして、新入生代表挨拶』


まだ続くんかい!と1人でツッコミを入れながら俯いていた顔を上げた時だった。




『────』



体育館中のざわざわした声もアナウンスの人が言ったはずの名前も、何も耳に入らない


ただ、視界にはステージに上がる男の人が映るばかりで。




何あの人…




目が離せない───





『暖かな風に誘われ桜の蕾も開き始め、私たち────……』