「あい、はいこれ。」



泣きじゃくる私に康平くんが渡したのは、コンビニの袋。中にはグレープフルーツのゼリー。


「これ、って」


「昨日の飲み会で二日酔いなんじゃないの?二日酔いの時はこのゼリーじゃないと食べれないんでしょ?」



「…、康、平くん」



「近くのコンビニになくて、ちょっと離れたところまで探しに行ってた。」



「あ、ありがとう。」



「ん。」


そう言ってぽんぽんと頭を撫ぜてくれる康平くんの手は私にはもったいないくらい温かい。


こんなにも大切にされてるんだ。私は。



「康平くん怒ってるよね?ごめんなさい。」



私は康平くんがくれたグレープフルーツゼリーを握りしめて言う。


「うん、すごい怒ってるよ。」



またいつもの無表情。