「ねぇ、知ってる?」




フラフラとする頭の中。



充電した携帯の電源をつけると、夜の間に康平くんから電話もLINEも何件も入っていた。



『何してるの?』
『どこにいる?』
『そろそろ帰ってこないと怒るよ』
『連絡すらもできないわけ?』



…心配してくれてたんだ。LINEも電話も私が帰る直前まで来ていた。



康平くん今日も仕事あるのに、私が心配で眠れなかったんだ。



呼吸が苦しくなるほどに胸が締め付けられる。


「ぅ、あ…康、平く…ん」



涙はずっとずっと止まらなくて、康平くんも帰ってこなくて。何回電話をかけても繋がらない。


嫌だ、お願い、嫌わないで。



これが現実なんてすぐに受け入れられない。