「ねぇ、知ってる?」




そう私が放った瞬間電車のドアが開かれて、反射的に私は電車を飛び降りる。


閉まるドア。



静かに流れる涙。



怒っているのか悲しいのか分からない感情。



可愛いって言ってもらいたくて張り切って今日のために買った高い白のワンピースも頑張って巻いた髪型もいつもより三倍時間をかけたメイクも全部台無しだ。




改札を出て見慣れない景色の中歩く。



きっと康平くんだって怒って帰ってしまっただろう。でも今回ばかりは謝る気になれない。


彼女だってみんなに言って紹介してほしいとか、女の人と話さないでほしいとかそんな贅沢は言わないから、せめて拒絶はしてほしくなかった。




静かに流れる涙は街のネオンをぼかす。ここはどこだろう。私帰れるのかな。