まだか、まだか、と会社の大きい入り口の自動ドアを見つめる。
「あ、」
そして出てきたのはスーツを身に纏った康平くん。…足が長い、何よりかっこいい。
そんな康平くんの周りには数人のスーツを着た男の人たち、と、綺麗な女の人たち。
綺麗な女の人たちは康平くんに喋りかけている。康平くんは相変わらず無表情。
女の人と康平くんの距離が近い。
気づけ、私の存在に。と康平くんを睨みつける。
嫉妬心が発動して、さっきまでわくわくどきどきしていた心が一気に真っ黒に染まる。
なんだか康平くんを凄く遠く感じる。
康平くんは今もなお私に気づかない。
康平くんの隣に並ぶ女の人は凄く綺麗で、大人の女って感じ。…私とは違う。
私とは違って、康平くんとお似合いだ。