…やっぱり愛想をつかされたことには間違いないのかもしれない。


一人でシュンとなって縮こまり、下唇を噛む。



「…ごめんなさい、でも嫌いにならないで。」



精一杯に出した声。何故か目を見て話せない。


鳥のさえずりが聞こえて、朝刊配達のバイクの音が遠くで聞こえる。



「ほんとバカだね、あいは」



その瞬間フワッと香る匂いは康平くんの匂いで、抱きしめられていることに気づく。頬を掠める康平くんの髪の毛が少しくすぐったい。



…なんだか久しぶに抱きしめてもらった気がする。



康平くんの腕の中はすごく落ち着く。