こんな時に、そんなことを言うなんて

この方は何を考えてるのだろう

すみれはそう思ったが

更に涙が溢れてきて清にしがみついた


「....私も好きです。」


一瞬、訪れた静寂

清は驚いてすみれから手を離したが

すみれはしがみついたまま清を離さない

そして、二人の身体は傾いて清の上に

すみれが乗っているような形になった


「すみれさん、大丈夫ですか?」


清がそう問うとすみれのしがみつく力が強くなった


「すみれさん?」


清はそう呼ぶと、すみれは口を開いた


「何かその、他人行儀みたいなの...いやです。」