夏祭りは午後5時から。
4時頃に家を出た私と優季。
すでに近隣には浴衣姿の人がけっこういるし、リア充っぽい人もちらほら。
仲良く手を繋いでいるのを見るとちょっぴり羨ましかったり...って何考えてるんだろう、私は。
やがて屋台の立ち並ぶ通りに出ると、さらに人が多くなってきた。
「はぐれんなよ?」
「うん、気をつける」
すると優季は、さっと私の手をとる。
そして握った。
それにドキッと私の心臓が反応したことに気付かないわけがなくて。
優季に手を繋がれたことに対して、心臓がドキドキしているのは言うまでもない。
「方向音痴のくせに、はぐれたらまじで終わりだからな」
きゅっと握った手は熱い。
顔も熱い。
たぶんかなり火照っていると思う。