幼なじみは初恋の人。


だけど、


「着てほしいな」


なんていう天使みたいな幼なじみのせいで、俺は着てしまった。


「ほんと、結月ちゃんには甘いんだから~」


俺を着付けながらニヤニヤする母さんに軽く舌打ちすると、お腹にグーパンチをくらった。


「いつまでもグダグダしてると、誰かに取られちゃうかもよ?お母さんとしては、結月ちゃんを娘にしたいけど」


結月ちゃんは優季以外の男の子と付き合うかもしれないし、そう言った母さんだけど。


すでに結月は生徒会長と付き合ってしまったはずだ。


すぐに別れたって崎本から聞いたけど、結月本人から聞いてないので詳しくは知らない。


正直、あの話は結月も俺もしようとしないからな。


どこか避けている自分がいた。