「あっ、細川くん」
俺が石沢と歩いていたとき、結月の親友、崎本花怜が俺に声をかけてきた。
崎本と俺はそんなに話す仲ではないが、俺を見てキャーキャー言う連中とは違うので、ある程度は心を開いている。
「何?」
結月が生徒会長と付き合ってからいつも以上に不機嫌になった(と見えるらしい)。
周りの女は、崎本と俺が話しているのを不思議そうに見ている。
「ここじゃあれだし」
「ねぇ、あの女告白しようとしてるんじゃない?ファンクラブにも入ってないくせに生意気ね」
んなことは知らないし、だいたい崎本には彼氏がいるはずだ。
浮気はしないだろうし、第一、俺らの問題をよく知っている。
「石沢くんもついてきてくれる?」
談話室へ行った。
「いいよ」

