優季と一緒ならまず、迷子にならないから安心。
「はよ、結月」
「おはよー、優季」
寮制の高校なので、今日から寮暮らしがはじまります。
ちょっと緊張するけど、友だちと朝から晩まで一緒にいられるなんて幸せじゃないですか!
「優季くんすまんね、お母さんにもお礼伝えといてくれるかな」
私にお母さんはいない。
小さい頃、病気で亡くなったとお父さんから聞いている。
だから、男手1つでお父さんは育ててくれて。
そんなとき、何かと優季たち家族が助けてくれた。
残念ながらお父さんは忙しい仕事で、今日の入学式には来れないみたいで。
寮暮らしに必要な大量の持ち物は優季のお母さんが車で運んでくれるそうです。
「いや、全然大丈夫です。じゃ結月行くよ」