こんなんじゃ、未だにずっと颯介のことが好きだったこと、バレてるよね。
颯介はそうでもなかったんだと思う、だって音信不通だったから私のことなんて覚えてなかった――覚えてたとしても知り合い程度なのかもしれない。
「花怜」
私の名を呼ぶその声は変わらない。
それに、颯介は男らしくなって、かっこよくなってる、前よりも。
ずるい、ロサンゼルスで何人の女の子と出会ったんだろう。
「ちゃんと、話そう。俺ちゃんと、花怜に言いたいことある」
私は覚悟を決めた。
たぶん正式に「別れよう」ってことなんだろうなって。
だって、結月が颯介のこと見つけなきゃ颯介が日本に、お祭りにきてたなんて知りもしない。
たまたま出会ってしまったから、自然消滅で関係をやめるよりいいと思ったんだよ。