「先輩、誕生日おめでとうございますー」

わざわざモーニングコールを掛けてきてくれた後輩の柚花ちゃんに、寝起きに言われて、そう言えば今日誕生日だった、

この年になれば誕生日なんて、そう呟いてしまうくらいの重要度。


それでも

今日はその言葉で始まった。
朝起きて、スマホを確認すると学生の頃より来ているメールたち。


出勤すれば、溢れてる、そう表現するのが正しいほどにその言葉を貰う。

先輩から後輩から同期から、よく覚えているなってくらい。


1ヶ所で言い始めれば、顔見知り程度の人も声をかけてくれるから、言ってしまえば朝から疲れた。


おめでとう、と言われれば嬉しいし悪い気はしないけれど、手放しで喜べる年齢はとっくに過ぎた。