空の果てに、願いを込めて

2人とも私の部屋で、漫画を読んだり、話していたり、我が家のようにくつろいでいた。



どうして私の家にくるの?



自分たちの家で遊んでよ。



意味がわからない怒りに、自分がおかしくなってしまいそうだ。



毎度の如く私の部屋に立ち寄り、2人で遊び、私は端っこで勉強。



どうせ2人は頭がいいし、大学だって楽々で入れるだろう。



『どいて!』


たったの3文字が言えない私は、とっても臆病者だ。



「帰らなきゃ。凛、また明日。おばさーん、ありがとう!おじゃましました〜」



2人が家から出たのは、午後7時くらいの頃だった。



約3時間、私の家でゆっくりし、嫌いだって思う時もあるけど。



やっぱり、百合は私の大切な人でしかならない。



作り笑いで中月くんを見送り、百合を送ってくる。



中月くんは元々家がここの住宅街ではないため、自転車で私の家に来ている。



自転車を押しながらか、2人乗りで百合を送ればいい話なのに。



やっぱり、私は自分の意見を言えない。