吉川くんは1人で笑っていた。



早くこの場から離れたかったが、その理由を思いつくことがなく、お互いに無言になった。



そこにちょうどよく、お母さんからお使いのメールが私の携帯に入ってきた。



時刻は4時過ぎ、タイムセールまで約30分。



私はお辞儀をし、手袋をはめて、また同じ道を歩み出す。



早くスーパーに行けば、暖かい風に包まれる。



街は早くもクリスマスカラーに染まっていた。



色鮮やかな灯りが、人を招き入れる。



今年のクリスマスは、1人だな。



お母さんとお父さんはデートに行くであろうし、私は勉強がしたい。



ちょうどいいと言えば、いいのかもしれない。



インドア派の私が、外に行くことなんて滅多にあるわけないし。



そういえば、学校で話すのは久しぶりなのかも。



前の席の百合は、隣の中月くんと話しているし、私は1人席。



先生に指名させることはあまりなく、他の人から話しかけられるのもあまりない。