登下校をする時に使ういつもの急な坂道を駆け上がり、学校に向かって走り出す。



吐く息が、白く揺れる。



11月の上旬。



私たちの地元は、北の方にあり、南よりかは早く冬を迎える。



マフラーの端についている、ふわふわのボンボンが顔に当たり私の邪魔をしてくる。



坂を駆け上がれば、あと少しで学校が見えてくる。



そこから、私は歩き始めた。



「うぅー、寒い………」



タイツはヒートテックにしたし、シャツの中にヒートテックを着ているが、それでも寒さを感じてしまう。



生まれてから17年間、この場所で過ごしてきたが、未だにこの寒さには慣れない。



手袋が不在な今、悴んだ手を暖めてくれるのは、自分の息かポケットに手を包むのか。



両手で顔を包み、息を吹きかける。



指と指の間から、白い息が空に登っていく。



学校に付けば、教室まで一目散で階段を駆け登る。



教室にいても聞こえる、部活動の声。



こんな寒い冬でもひたすら走る運動部に、大きな掛け声でバッドをふる野球部。



体育館の床を擦る、シューズの音。