空の果てに、願いを込めて

今、盛大に恥ずかしい。



玄関前に固まっている私も寒いし、わざわざ寒い中家までやってきた中月くんも寒そうにしていたから、家の中に入ったが、今思えば私、私服だった。



しかも、家用のジャージに近い服装。



お客さんが来ることを知っていたら、多分着替えていただろう。


だが、今着替えてしまってはお客さんがいるのにどこか行くのか?みたいな印象を背負わせてしまう。



と、脳内選択をした結果、着替えることを諦め毛布を羽織り、リビングでおやつづくりをしている。



中月くんがココアを希望したため、ココアに合う暖かいおやつを作っている。



ココアじゃなくとも似合うけども、そこは味とか見た目を優先しよう。



得意料理の1つ、バター味クッキーをバスケットに盛り付けこたつに置く。



「ど、ドーゾ……」



あの棒読みに勝るように発した声が、まさかの怯えるような声。



「……あのさ、入らないの?」



ムクムクと暖かいこたつに入っているのは中月くんのみで、こたつに入らない私を見て痺れを切らしたような感じだった。



「シツレイシマース」



あくまでも棒読み風に、中月くんに遠まわしに出ていけと言う感じに。