空の果てに、願いを込めて

今日から土日、つまり、休日に入るわけで、お母さんは大きな荷物を持ち、最寄り駅から東京まで1本の新幹線で旅立った。



「うぅー寒いー」


こたつにくるまり、家中暖房をつけているが、外はいつも通りの白い雪が降っている。


毛布を肩から掛け、録画していたドラマとにらめっこ。



ココアでも持ってこようとこたつから立ち上がったその瞬間、家中に大きな音が響いた。



ピーンポーン



「はーい、今行きまーす」



肩に羽織っていた毛布を投げ捨て、印鑑を持ち玄関先に向かう。



どうせお母さんがショッピングした物が届いたのだろう。



それかお父さんからの贈り物か。



「お待たせしましたー…………」



玄関の扉を開けたまま、私は目の前にいる人物と目を合わせたまま固まってしまう。



冷たい風が手体に当たるが、今はそれどころではなかった。



「……コンニチハ。百合がいなかったので、こちらに遊びに来ました」



マフラー、手袋、帽子と防具する姿に、棒読み満載の声は、いつも私と過ごしている人だが、それはそれで驚いた。