空の果てに、願いを込めて

「まあ、せいぜい頑張りなさい」



お母さんの毒づく姿に、私の心は更に燃える。



いつもの私だったら、仮にも実の娘に対して毒づくことはないんじゃないの?と冷静な答えを返しているが、今日の私は違う。



目標は夢の国、全教科70点以上、学年80位以内。



受験生のように猛勉強をし、単語帳を片手に持ち、朝から晩まで唱えていた結果。



「じゃじゃーん」



「あら、前回と変わらないのに何を自信満々に」



その言葉通りで、私は考えていた言い訳の1つも言えなかった。



グゥの音も出なかった。



「はーい、東京行きなーし。お母さんだけ行ってきますよ」



「えぇー、ずるいー」



「しょうがないでしょ。お父さんの家、絶対に散らかってるから」



母の言っていることは本当のことだし、やることを済ませたらすぐに帰ってきてくれる。



父は単身赴任で東京に、アパートを借りて住んでいる。



くぅー、私の努力が無駄になってしまったとは。


ベスト イズ 平凡!


心の中で魔法の言葉を唱え、落ち込む心を戻した。