空の果てに、願いを込めて

次の日からしっかりとした防具に、イヤーマフという新たな仲間が加わった。



「うぅー、耳が温まってるー」



朝だというのに、早速情けない声を出してしまう。



最近の女子は損をしているよ。



早く女子という壁を取り除いてしまえば、こんなに安心で幸せな暖かさが包んでくれるのだから。



今日も相変わらず雪が降っていて、そこまで強くはないが、2〜3mくらいは積もるそうだ。



それよりも、ここの地域が冬の間雪が降ることがない日なんてありえない。



奇跡に近い日、だとも言える。



魔法瓶にホットコーヒーを入れて、眠気覚ましと寒さ対策を備えるのも、日常だ。



「あーあ、早く冬休み来ないかなー」



せっかくの雪国で育ったのだ。



雪で遊びたいじゃないか。



そんな子供じみた考えも、お母さんの一声で消えてしまう。



「成績が前回よりも上がっていたら、東京に連れていってあげるわよ」



「えぇっ!!?本当に!!?」



東京は、私たち雪国育ちの人にとって夢の国である。



そして某ネズミの国は、夢のまた夢の国である。



あのキラキラと輝いている国には、私たちのような庶民などお近づきになることは少ない。