桃色恋模様




「アタシはお邪魔だったってことか。」


泣くな、
泣くな。


かっこ悪すぎでしょ。

彼女がいるとも知らずに、卓にくっついて。


「なんだ~!卓も早く言ってくれればいいのに。」


気持ちとは反対に、アタシは笑ってて。


「・・・卓、ごめんね。」

「・・・おい、ちょ――」


そのままそこにいたら、涙が溢れてしまいそうで。


「ばいばい。」


やっと一言伝えて、アタシは、走って学校を出た。


ねえ。卓。


アタシは卓にどう思われてたのかな。


ただのうざったい女・・・かな。


その通りだよ。

アタシ、卓の優しさに漬け込んでた。


片思いって、失恋って、
こんなに苦しいのにかな。


だって、胸が苦しくて、卓が愛おしくて、涙が止まらない。


でもなんでだろ。

好きなんだよ。


あのまま、告ってきた人と適当に付き合ってれば。
アタシが卓に恋をしなければ。

・・・卓に出逢わなければ。


こんな思いはしなかったのかな。



でも・・・悔しいけど。


卓に恋をしないなんて。
考えられないんだ。