桃色恋模様




「・・・い、おい、おい凛!!」


はっと目が覚める。

アタシ、やっぱり寝てたんだ。


時計を見ると・・・8時!?


「お前、何してんだよ。」


目の前にはため息をつく卓。


「え。なんで。」


今日の朝、卓が言ってたことと同じことを言ってしまった。


「なんでって、何が?」


アタシが返したことと同じことを言って、フッと笑った卓がかっこよくて。


「真似っこだ。」


アタシも思わず笑った。


アタシね、卓が笑ってると、なんでか知らないけどね。

自然と笑顔になるんだ。


「あ、ねえ、卓。」

「あ~?」

「アタシのこと、待っててくれたの?」

「んなことあるか、ボケ!俺、今日見回りなの!!」

「そっか。彼女じゃないもんね。」


なんか。
アタシ、彼女じゃないもんね、が、口癖になった気がする。


「そんなとこで寝られてたら、鍵閉められないしな。」

「あ~たしかに。」

「まあ、閉じ込めても良いんだけど、先生がね。」


アタシが彼女じゃないもんねって言っても、動揺一つ見せずにうまく話を変える。


「え~。酷!!」


アタシは、そうじゃない卓を望んでいて。


一体、どうして欲しいんだろう。


彼女じゃないのに。