桃色恋模様




はあ。
なんか面倒そうだな。


そう思って、ふと窓を見ると。


「あ~~~!!!」


今日、中等部の体育の日・・・。

もう準備体操は始まっていて。


屈伸してる卓を見損ねた~。


ねえ、卓。
さっき目があった気がしたのは。

きっと幻覚だよね。


でもな~。

あんなにカッコイイ卓を、アタシは本当に諦められるのかな。


バレーをしてる卓を見ながら思う。


わかってる。

こんなにずるずる想っててもダメなんだって。


・・・叶わない恋なんだって。


でも、なんでかな。


わかってるのに。
頭ではわかってるつもりなのに。


卓を見かけたら、じっとしていられない。


恋の病って、こういうことなのかな。


あれこれ考えてるうちに、もう授業は終わっていて。


「凛!!今日はどうしたの?」

「相変わらず外ばっか見てたけど、叫んだりしなかったじゃん。」


友達からは驚かれて。


「楠さん!!わたし、あなたのこと、誤解してたみたいだわ。」


先生からは感動されて。


・・・あの。
多分それ、違うと思います。