「失礼します」

あたしは新しい世界へと足を踏み入れる。

歩いてる途中で、男が話し出した。

「ここ、どこだか分かる?」

分かるわけがない。

あたしは素直に

「分かりません」

とだけ答えた。

「そっか。
じゃあ説明するね。
ここは男女共通の寮で、ある事情がある人のみ住める場所なんだ」

り、寮!?
寮だったんだ!ここ

どうりででかいわけだ。

「ついでに恋愛OK!!
ちょっと変わってるでしょ?」

「はい」

普通こういう所って恋愛禁止じゃなかったっけ?

「まあちょっと変わってるね。
あ、俺は岡田幸也(オカダコウヤ)高3だよ。
俺のことは幸也でいいから♪」

幸也はそう言って顔の前でピースマークを作った。

「じゃああたしも水樹でいいよ」

「了解!」