―――【2-C】
「じゃーな」
「またあとでね」
毎朝わたしたちはここで手をふる。
なんとわたしたち、高校2年にして、初めてクラスが離れたのです!
幼稚園の頃から小学校、中学校、そして去年と、15年間ずーっとおんなじクラスだったのに、まさかのね。
ここまで来たら高校卒業まで記録更新できるんじゃない?とか思ってたんだけどな。
別に寂しくはないよ?
でも、なんか意外だなって。
あっ、でもでも芙花(フウカ)とは同じクラスになれたんだよ。
夏木 芙花(ナツキ フウカ)、わたしの中学校からの大親友。
ふわふわした見た目とは裏腹に、弟がふたりいて面倒見がいいんだよね。
頼れる姉御って感じ。
ついついわたしも頼りっぱなしになっちゃって……
いつも助かってます!
「おはよ、七瀬」
安心感のある落ち着いた声。
肩までの柔らかい髪がゆるく巻かれてる。
「あ、芙花おはよ。相変わらず可愛いな」
透明感のある白い肌。長いまつ毛。
お人形さんみたい。
「それはどうも。朝からテンション高いな」
あきれたようにそう言った芙花だけど、元からピンクのほっぺがさらに赤くなってるぞ。
素直じゃないな~。
ひとりにんまりしていると
「あれ、七瀬、今日日直じゃなかったっけ?」
ん?日直?
「あーーー!」
完全に忘れてたー!
そうだったそうだった、日直なんだった。

