「おはよ、だんご」
玄関を出るといつもの顔。
わたしの頭の上のおだんごをみて、朝からからかってくる。
癖のないさらさらな黒髪、澄んだ綺麗な瞳、わたしと頭1個分以上違うスラッとした長身。
「だんごとか言うなー!」
「相変わらずちっせーな」
「うるさーい」
言うほどそんなちっちゃくないし。
わたしの頭に手を置いて、朝から意地悪を言ってくる那央。
実はわたしの幼馴染みだったりします。
相馬 那央(ソウマ ナオ)、わたしと同い年の高校2年生、17歳。
わたしはまだ誕生日来てないから16歳なんだけどね。
家がとなり同士で家族ぐるみの付き合い。
那央の家が共働きだから、昔からよくうちに遊びに来てたんだよね。
幼稚園、小学校、中学校、と一緒に過ごしてきて、まさかの高校まで一緒。
わたしはレベル的に、那央はバスケが強いからって理由で。
あと、近いから。
あ、わたしそんなバカな訳じゃないからね?
一応特進だし。
有名な進学校なんだから。
那央、勉強できるんだよね。
なぜか英語だけはてんでだめだけど。
運動神経もいいし。
なんなんだ、那央のくせに。

