着いた所は、病院の屋上でした。
風が私のセーラー服や髪を揺らしました。
普段だったらもう少し人がいたような気がするのですが、今日は風が強いからなのか誰もいませんでした。
私は大きく深呼吸しました。
あれ。
一人だと思ったのですが、先客がいました。後ろ姿で顔は分からないけれど、どうやら男の人のようでした。
私は踵を返し、屋上から立ち去ろうとしました。
「待ってよ」
澄んだ、やらかい声がしました。
振り返ると先客である彼が、こちらを見て微笑んでいました。
「僕の事なんか気にしなくていーよ。此処にいたら?」
君も、あの場所じゃあ息がしづらいんでしょう?、と彼は微笑んで言いました。
それを聞いて何故か動けない私に、彼は近づいて、私のすぐ側に来て、私の左手首をつかんで、引っ張りました。
私と彼は二人並んで屋上の柵によしかかりました。
この人の意図はよく分からないけれど、この人の空気感は私にとって生きやすいと思ったからです。
風が私のセーラー服や髪を揺らしました。
普段だったらもう少し人がいたような気がするのですが、今日は風が強いからなのか誰もいませんでした。
私は大きく深呼吸しました。
あれ。
一人だと思ったのですが、先客がいました。後ろ姿で顔は分からないけれど、どうやら男の人のようでした。
私は踵を返し、屋上から立ち去ろうとしました。
「待ってよ」
澄んだ、やらかい声がしました。
振り返ると先客である彼が、こちらを見て微笑んでいました。
「僕の事なんか気にしなくていーよ。此処にいたら?」
君も、あの場所じゃあ息がしづらいんでしょう?、と彼は微笑んで言いました。
それを聞いて何故か動けない私に、彼は近づいて、私のすぐ側に来て、私の左手首をつかんで、引っ張りました。
私と彼は二人並んで屋上の柵によしかかりました。
この人の意図はよく分からないけれど、この人の空気感は私にとって生きやすいと思ったからです。

