苦しくて、愛おしくて





次の日だっけか、忘れちゃったけど。

割と悶々としながらも、私また部活サボって家帰ってきたあと隣の家のチャイム鳴らしたよね。


罪悪感でいてもたってもいられなかったんだ。

どうしても一言謝らなきゃ気が済まなくて

ちょうど親がいなかったみたいで本人が嫌々玄関のドアを僅かに開けてきたとき、心臓が痛いくらい脈を打ってた。


「あの、」

「なに、なんで家知ってんの。こわいんだけど」


いやなんせ隣だからね!


嫌悪感たっぷりの眼差しなんて、なんなら慣れてるはずなのに、学校で受ける視線以上に怖かった。しかも相手小学生なのにね。


なんでだろう、無意識にでも嫌われたくないってどこかで思ってたのかな。


「私、隣なんだ、その…家」

「……」


最悪だと心の中で思ってるのがモロに伝わってくるような、そんな素直な反応だった、ある意味では。


「で、昨日のことなんだけど、ごめん」

「……」

「あれただの八つ当たり。
いじめられてるのはむしろ私なの。

…意地悪なこと言って、本当にごめんね」


ちゃんと目を見て謝ろうって思ってたのに

やっぱりいざとなったら怖くて、ほとんど地面を見ながらの謝罪だった。