私が人生で一番惨めで死にたくなっているときだった。


そんなときに、私と凛は出会った。


────ガシャン!

裏門の錆びれた門を無理矢理開けようとしていると、近くを通りかかっていた小学生が、驚いたように肩を跳ねあげた。


うちの学校の裏門は、田舎なせいか、雑木林に覆われているためか、滅多に人が通らない場所だ。


だからこそ私は私で、こんなところに小学生がいることに吃驚した。

そしてすぐ彼の異様さに目を凝らしてしまった。だってその子は、絵に描いたように泥だらけだったから。


でもすぐに、見覚えのあるその子の顔に私の不信感は少し和らいだ。


「(あれ。お隣さん家の息子じゃん)」


確か今年の春ごろ家の隣に新居を建てたから、まだ越してきたばかりだったはず。


「……」
「……」
「……なにしてんの、こんなところで」


先に気まずさに耐えられなくなって沈黙を破ったのは、わたしだった。